続・80年代世代のしるし

トイクロSAGAの書 FF Ver.1.1

黒 T シャツの男性は、「80 年代世代のしるし」をボクが持っていると、あまりにも確信的に聞いてくるので、

「言っている意味が分からないのですが??」

と逆に問いただしてみた。
しかし、

「はちじゅうねんだいせだいの しるし もってますね!?」

と同じ “セリフ” を言うばかり……
さすがに、無視しようかとも思ったけれど、「80年代世代」というワードが妙に気になったボクは、

「自分は、1979 年生まれですけど?? 何か??」

と聞いてみたけど、
やはり、

「はちじゅうねんだいせだいの しるし もってますね!?」

と言うだけだった。

(いったい何なのだろうか??)と少し冷静に思い浮かべてみた。
すると、一つのイメージが脳裏をかすめた。

〝ひょっとして!!!!〟

はっと思ったボクは、財布の中から、名刺がわりにいつも持ち歩いている “シール” を、男性に差し出した。
シールは、1980 年代に一世をふうびした『ビックリマン風の自作シール』である。

男性はシールをジーと見つめて、“うんうん” とうなずくき、

「隠し通路なので、付いて来てください!!」

と勢いよく言うと、ボクの手を引っ張るようにつかみ、足早に奥の壁の中へ連れ込んだ。

普通だったら、こんな状況なんてすぐには理解できないだろう。でも、この時は、驚きよりもむしろ、昔の RPG ゲームをプレイしているような懐かしい感覚のほうが強かった。

そして、男性の後を追うように、薄暗い細い通路を進んで行ったのである。

TO BE CONTINUED…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA